ビジネス現場の選択理論
さて、それではこの選択理論を職場でどのように活用していけばよいか、ということについてお話します。
人は自分の欲求を満たす“イメージ写真”を現実世界に求めて行動するわけですが、そのイメージ写真を得られないと、人はフラストレーションを感じます。職場で言うならば、メンバーが自分の思い通りに動かない時などがそれに当てはまります。上司が部下に対して「もっと頑張って欲しい」と思うことは当然ですが、目標達成できていない部下に対して「なぜ、もっと頑張らないんだ!」と厳しく責め立ててしまうことはよくあるものです。
しかし、「成果を出すということ。そのために仕事をすること」が部下の“上質世界”に入っていなければ、すれ違いが起こり、関係が悪化するだけでなく、チームとしての成果も下がってしまいます。「部下の上質世界には何が入っているのか」。人はみな違うという前提で、相手の願望を知ることが非常に大切です。
次に、改善を積み重ね、成果の出る組織になるために効果的な考え方をお教えします。
それは、“RWDEPメソッド”というものです。
行動のメカニズムを解明した心理学「選択理論」
これは職場に限らず、全ての人間関係に適用できるフレームワークで、『信頼関係を前提に(Relation)、メンバーが求めているものを明確にし(Want)、一方でいま何を行っているのかという行動を観察し(Doing)、その行動は効果的か・もっと効果的な方法はないかと評価し(Evaluation)、実行計画を立てる(Plan)』というものです。
先ほどもお話ししましたが、「こんな仕事・働き方をしたい」というメンバーの願望を把握した後は、「実際に今何をしているのか」と、現実に行っている行動に焦点を当てさせます。
そして、「その行動は効果的か」と問いかけることで改善に焦点を当てさせ、実行計画を策定するのです。
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