クオリティ・スクール訪問記

キャリア形成の先進的な取り組み

小学生の運営する学校内のカフェ▲小学生の運営する学校内のカフェ

小学校2年生の「詩を作る」授業では、発表された詩がどんなものであっても、先生は必ず良いところを褒めて承認していた。これは、生徒が持っている力の欲求を満たすだけでなく、人の良いところを見つける手本を先生自身が生徒に見せているのである。クオリティ・スクールでは、「先生は口だけでなく手本を見せる」ことが重要とされているが、まさにそれを実践しているのであった。

また、人格教育という意味では、キャリア形成も大きなテーマであるが、GTAではキャリア形成についても先進的な取り組みを行っていた。生徒たちは幼稚園の頃から将来なりたい職業を考えており、教室に各々がなりたい職業のポスターを貼っていた。ポスターを貼ることで、自分の上質世界を普段から意識することとなり、そのためにどのように行動をしていくのかを考えていくのだという。また、GTAでは小学生になると生徒自ら学校内のカフェを運営する機会さえも与えられる。
こうしたGTAの環境で育った高校生に、将来なりたい職業を聞くと、自分なりの考えを明確な理由と一緒に答えてくれた。ダブルスクールで調理師の学校に通ったり、大学の単位を先取りするなど、夢を具体的な行動に移している生徒も多く見られた。
GTAが人格教育に力を入れる理由は、たとえ能力が高くても、正しい目的のために能力を発揮しなければならないからだ、とケイ教育長は話してくれた。自分の力を正しい目的のために使うためには人格教育が重要なのだという。

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用語紹介

比較の場
私たちは、自分が求めているもの(いわゆる上質世界)と自分が現実から知覚したもの(いわゆる知覚された世界)とを天秤にかけるように比較している、と選択理論のなかでは考える。このことを【比較の場】と呼ぶ。比較の中でギャップが生じ、天秤の釣り合いが取れなくなると、そのギャップを埋めるための行動をとるよう、フ...
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