「葛藤の処理法」リアリティセラピー研究会報告

リアリティセラピー研究会「葛藤の処理法」のページです。選択理論は結婚・恋愛、家庭、ビジネス、学校…あらゆる人間関係を良くするための心理学です。

葛藤の処理法

東京中央支部
リアリティセラピー研究会

私たちは、毎日を生きる中で必ず「悩み」や「葛藤」と出会います。

これらの苦悩を解消する方法が知ることができるとしたら、

人生はどれだけ自由になるのでしょうか。

 

今回は、私たちが苛まれるこの「葛藤」について、

どのように対処をすべきなのか、選択理論的観点から

見てまいりましょう。

 

簡単にお伝えすると、

葛藤とは異なった2つの欲求が自分の中でぶつかり、

うまく処理出来ていない状態を言います。

 

グラッサー博士は、書籍「テイクチャージ 選択理論で人生の舵を取る」の中で

葛藤は2種類に分けられると定義しています。

それは「真の葛藤」と「見せかけの葛藤」です。

まずはその要素に関して見てみましょう。

 

 

■「真の葛藤」

・解決策は存在しない

・何もしないと苦しい

・忍耐強く待つことが望ましい

・コントロールできない要素が絡んでいる

 

 

■「見せかけの葛藤」

・解決策が存在する

・何もしないと楽

・早めに取り掛かっていくことが望ましい

・コントロールできる要素である

 

 

葛藤を処理していく上では、

この2種類の葛藤の違いを理解し、

向き合い、正しく判別できることが大切だと言われています。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「真の葛藤」の例を見てみましょう。

例えばこんな事例があります。

 

「ビジネスマンである田中さん(仮名)は功績が認められ、

遠くの場所にある支社責任者に抜擢されたが、

妻や両親には家庭の事情があるため

残ってほしいと言われて葛藤を抱えている」

 

これは、

【A】仕事での成果を出し、周りに尊敬されたい(主に力の欲求)

【B】愛する妻や両親の思いに答えたい(主に愛・所属の欲求)

という2つの欲求がぶつかっている状態なのです。

 

Bは自分以外の「他人」が絡んでいる欲求であり、

直接的にはコントロールすることが出来ません。

つまり、自分の思考と行為を変えたところで、

他人である妻や両親の思いが変わることは難しいのです。

 

支社責任者として栄転する道を選べば、

妻と両親の思いには答えられない。

 

妻と両親の思いに答えるとすれば

仕事で更なる活躍をして周りに尊敬されることは得られません。

 

本人にとっては五分五分で決められなく、

どちらを取ったとしても、葛藤があるのです。

 

このような、自分の中でどちらにするか決めきれない場合は、

2つの欲求の要素を明確に整理して、

期限ギリギリまで待つことしかできないと、

グラッサー博士は言っているのです。

 

時間が経つにつれて、もしかしたら、

・配属先が変わって、引っ越さなくても良くなる

・妻と両親の事情が変わって一緒に引っ越してくれるようになる

などと言った「外的世界」の要因が変わるかもしれないのです。

 

それまで、目の前の仕事に一生懸命になって取り組んでいくこと、

妻と両親が喜んでくれることをしてあげるなど、

今できることに焦点を当てて取り組んでいくことが大切なのです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

対して、今度は「見せかけの葛藤」に関して考えてみましょう。

 

例えば、

「会社の課題で英語を勉強しなければならないが、

 忙しくて疲れてしまいいつも出来ずに寝てしまう」

が例に挙げられます。

 

これは、

【A】課題をクリアしたい(主に力の欲求)

【B】寝たい(主に生存の欲求)

という2つの欲求がぶつかっている状態であり、

 

一言で言えばクライアント自身の問題であり、

努力次第で両方とも解決できる問題です。

 

つまり、明確な解決方法が存在するはずです。

 

この場合、私たちが焦点を当てるべきは、

何がこの問題の原因になっているのか?

ということです。

 

この事例で言えば、

「仕事が遅くていつも残業してしまっている」だったり、

「課題はクリアしなければならない負担だと思っている」だったり、

様々な要因が考えられます。

 

もしかしたら、

職場で同僚と上手く人間関係を構築できず、

相談や協力を求められないことが

根本原因であるかもしれません。

 

その明確な原因を分析し、

対処するために出来る行動を取っていくことで、

「見せかけの葛藤」は解決ができるのです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

葛藤の違いを知り、

的確な対処法のフレームワークを学んでいくことで、

私たちはもっと自由な考え方と生き方を選択できるかもしれません。

 

ぜひ参考にしてみて下さい。

 

【参考文献】

「グラッサー博士の選択理論 – 幸せな人間関係を築くために」

http://shop.achievement.co.jp/products/detail.php?product_id=92

 

「テイクチャージ 選択理論で人生の舵を取る」

http://shop.achievement.co.jp/products/detail.php?product_id=519

リアリティセラピー研究会報告一覧へ戻る

用語紹介

知覚された世界

知覚された世界とは、知識のフィルターと価値のフィルターを通して、私たちが現実世界を解釈したものである。
私たちが「現実世界」を話す時、それはすべてそれぞれの「知覚された世界」を話しているに過ぎない。

一覧を見る