「解決のサークルの内側で~子育て/親子関係編~」リアリティセラピー研究会報告

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解決のサークルの内側で~子育て/親子関係編~

東京中央支部
リアリティセラピー研究会

「反抗的な態度」をとることが成長の証である。

子育てにおいてそんな言葉を一度は耳にしたことがあることかもしれません。

しかし、それは本当なのでしょうか。

 

今回は、この子育てにおいて厄介な「反抗的な態度を取るときの対応」について、

選択理論の視点から解説し、どう子どもと関わると良いのかを学んでいきます。

 

 

反抗的な態度とは何か?

反抗的な行動といえば、

暴言をはくこと、暴行をすること、口答えをすること、

非行に走ること、無視をすること、引きこもること

といったものがあげられます。

 

子どもたちが、このような行動を取るのは、

過去の経験したこと・記憶したことの中から、

行動を自分で選んでいると、選択理論では説明されます。

 

つまり、自分の持つ欲求を満たすために、

常に最善と思うことを選択して行動しているということです。

 

「なんで言うこと聞かないの!今夜はごはん抜きです!」

「何時だと思っているの!早く寝なさい!」

「静かにしてって言ったでしょ、おとなしくしていなさい!」

 

私たちが先に子どもたちに対して、

そういった威圧的・反抗的・支配的な態度を取ったところで、

子どもたちは思うように動いてくれることはないでしょう。

 

なぜなら、欲求を満たすための最善の行動をやめさせられるのは、

彼らにとって、耐え難い苦痛だからです。

 

やめさせようとすればするほど、反抗的な態度をとられるか、

聞いたふりをされて終わってしまいます

 

  

 

効果的な関わりとは?

実際にそういった威圧的な態度を取られた経験は誰しもがあるはず。

その時、どんな感情を持たれたでしょうか。

相手の言うことを聞こうと素直に思うでしょうか。

 

きっとそうではないことが多いはずです。

 

 

親からすれば、子どものことが嫌いで、傷つけたくて、

威圧的な態度を取っているわけではありません。

子どもが大切だから、愛しているから、ついつい強く言ってしまうのです。

 

しかしそれは、子どもたちが自ら行動を変えようとすることから考えると

決して効果的な関わりとは言えません。

 

例の一つに、私たちが新聞配達の営業をするお兄さんだったとしたら、

お客さんに威圧的な態度を取って契約を貰おうとはしないでしょう。

効果的ではないからです。

 

寄り添って相手の気持ちになって、親身に話を聞き、

なぜこの商品が良いのかを丁寧に説明して、契約を貰うはずです。

 

親子関係でも、同じような関わり方をするとどうなるのか?

一例を見てみましょう。

 

-----------<例>------------

<21時に帰ると言っていたが、深夜1時まで遊んでいた娘に対して>

 

娘:ただいま

母:あら、やっと帰ってきたのね。どうしたのかとずっと心配していたのよ。

  でも無事帰ってきてくれて良かった。ありがとうね。

娘:うん。楽しかったからつい遊びすぎちゃった。

母:そうね、よかったね。でもお母さんずっと心配していたのよ?

  21時に帰ってくるって言っていたわよね。

  ずっと心配で寝られなかったよ、お母さん。

娘:気にしないで寝ていたら良いのに。

母:お母さんは、あなたのことが大事なのよ。

  4時間も帰ってこないから何かあったらどうしようかって

  いてもたってもいられなかったわ。

  でも、無事帰ってきてくれてよかった、ありがとうね。

娘:そっか。

母:遊ぶのはいいけど、遅くなるときは一本連絡ちょうだい?

  そしたら、お母さんも早く寝られたし、好きなことできたかも。

  でも、あなたが帰ってきてくれたからよかった。

  今日はデートだったんだよね。どうだったの?

娘:うん、楽しかった!すっごい好きな人なの!

母:そうかそうか、じゃお母さん、恋愛のこと沢山相談乗ってあげるよ!

娘:ほんとに?話聞いてほしい!でもお父さんには言わないでね。

母:うん、女同士の約束にしよう!

娘:ありがとう!お母さん、遅くなってごめんね。

母:いいのよ。遊ぶのは全然いいのよ、お母さんも同じくらいの年の時そうだったから。

  ただ、自分で帰る時間を決めて、その時間は守ってもらえるとお母さん嬉しいな。

娘:うん、次からそうするね。

母:今日はもう遅いから明日またその彼の話をしようね!おやすみ!

娘:おやすみ!

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優先すべきは子どもとの関係性

子どもたちは、まだまだ価値観が明確に固まっておらず、

どの行動が良いのか、よく分かっていないことが多いです。

それは精神的にとても不安定な状態なのです。

 

だからこそ、わたしたち親がすべきことは、「自分の正しさや感情を提示すること」よりも、

子どもと良い関係性を築くこと」を優先したほうが良いと言われています。

 

本当に苦しいときに、相談したいと思えるような関係性を築けたとすれば、

きっと子どもたちにとって、親は心の拠り所となり、反抗の対象ではなくなるでしょう。

「心を許せる存在」となるので、反抗的にならなくても、

親は欲求を満たしてくれる存在になり得るのです。

 

親の存在そのものが、願望の世界に入る、すなわち「好きな人」に変わるので

お互いに思いやりを示す関わりが徐々に出来るようになっていくでしょう。

 

正しさを押し付けず、まずは子どもたちと

「いかに良い関係になれるのか?」に焦点をあてて

関わってみてはいかがでしょうか?

 

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【参考文献】
「グラッサー博士の選択理論 – 幸せな人間関係を築くために」

http://shop.achievement.co.jp/products/detail.php?product_id=92

 

「ハッピーティーンエイジャー―十代の子どもをもつ家族が奇跡を起こす法」
https://goo.gl/brvFnx

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用語紹介

ウィリアム・グラッサー
医学博士1925年米国オハイオ州生まれ、ウエスタン・リザーブ大学医学部で博士号修得。精神医療の新しいアプローチ『リアリティセラピー』で広く影響を与えると共に、精神科医として幅広く活動。公教育に関心を持ち、教育で上質を追求する改革を試み、『クオリティ・スクール』を著した。...
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