クオリティ・スクール訪問記

キャリア形成の先進的な取り組み

小学生の運営する学校内のカフェ▲小学生の運営する学校内のカフェ

小学校2年生の「詩を作る」授業では、発表された詩がどんなものであっても、先生は必ず良いところを褒めて承認していた。これは、生徒が持っている力の欲求を満たすだけでなく、人の良いところを見つける手本を先生自身が生徒に見せているのである。クオリティ・スクールでは、「先生は口だけでなく手本を見せる」ことが重要とされているが、まさにそれを実践しているのであった。

また、人格教育という意味では、キャリア形成も大きなテーマであるが、GTAではキャリア形成についても先進的な取り組みを行っていた。生徒たちは幼稚園の頃から将来なりたい職業を考えており、教室に各々がなりたい職業のポスターを貼っていた。ポスターを貼ることで、自分の上質世界を普段から意識することとなり、そのためにどのように行動をしていくのかを考えていくのだという。また、GTAでは小学生になると生徒自ら学校内のカフェを運営する機会さえも与えられる。
こうしたGTAの環境で育った高校生に、将来なりたい職業を聞くと、自分なりの考えを明確な理由と一緒に答えてくれた。ダブルスクールで調理師の学校に通ったり、大学の単位を先取りするなど、夢を具体的な行動に移している生徒も多く見られた。
GTAが人格教育に力を入れる理由は、たとえ能力が高くても、正しい目的のために能力を発揮しなければならないからだ、とケイ教育長は話してくれた。自分の力を正しい目的のために使うためには人格教育が重要なのだという。

特集一覧へ戻る

もっと選択理論について知りたい方

グラッサー博士の選択理論 - 幸せな人間関係を築くために
夫婦・親子・教師と生徒・マネジャーと従業員との上質な人間関係のあり方を明解に説き明かす。

幸せを育む素敵な人間関係
米国の精神科医、ウィリアム・グラッサー博士が提唱する選択理論を分かりやすくまとめた本書。

用語紹介

15人が選んだ幸せの道
『15人が選んだ幸せの道』は2000年にアチーブメント出版より刊行されたウィリアム・グラッサー博士の書籍である。選択理論を用いたカウンセリング手法である「リアリティ・セラピー」の事例を多数掲載している。カウンセラーとクライアントの会話がそのまま掲載されており、実際にカウンセリングルームにいるかのよう...
一覧を見る