自己評価(self-evaluation)
自己評価とは、「他人によって評価される他者評価に対して、自分の学習、行動、性格、意欲などを自分自身で評価すること」である。グラッサーはデミングの「人は他人を評価してはならない」という言葉の重要性に着目し、これを少し言い換えて「人は他人を公に評価してはならない」と言っている。「人間関係を破壊せずに行動を促す」という点に着目すると、大切なのは当事者が自己評価をすることが必要だからである。例えば、ビジネスの世界における上質な結果や生産物は、上から命令されてできるものではなく、また検査過程を厳しくして達成されるものでもなく、当事者の自己評価によってのみ生まれる。教育の世界では、教師が生徒を評価するのではなく、生徒が自己評価することで、勉強の必要性を自ら見出すことが重要である。グラッサー博士は、リアリティセラピーの中でも重要なステップとして、はじめから自己評価の概念を導入しており、後にRWDEPCのフレームワークが完成すると、このステップはE:Evaluationとなった。また、自己評価はself-evaluationであって、self-esteemではないので、自己評価を「自己像、セルフイメージ、自己肯定感の高低」といった意味で捉えるのは誤りである。
更新日: 2014年12月13日